薬毒同源
ある化合物が生体に作用をおよぼす場合,その化合物を生物活性物質という。そして,その化合物がヒトに作用をおよぼした結果として,うるわしい作用があらわれた場合,私たちはその化合物を「薬」と呼ぶのに対し,うるわしくない作用があらわれた場合,私たちはその化合物を「毒」と呼んでいるにすぎないのである。
よってある「もの」を利して薬とするか,または使い方を変えて毒とするかは「もの」の責任ではなく,使う側の「ヒト」の責任である。例えば,農薬は,それを適用される害虫や雑草にとっては毒でしかない。しかし,その結果,ヒトの役にたっているから農「毒」ではなく,農「薬」と称される。(船山信次先生 化学と教育 65巻5号(2017年)より抜粋)
アロマテラピーで使用する精油も、使い方次第で薬になったり、毒になったりする生物活性物質の一つだと思います。
それを利用する私たちは、毒として利用することのないように、飲用や原液塗布、高濃度での使用を避ける他、長期間にわたる継続的な使用についても、十分に注意したいと思います。